競馬をやる人なら誰でも最初に見聞きするのが単勝や複勝ではないでしょうか。実は、馬券の総売り上げに占める単勝の割合はおよそ6%、複勝の割合はおよそ9%しかありません。しかし、単勝と複勝は10種類ある馬券の券種の中でも絶対に無くならないといえるほど重要なものです。
それは、単勝と複勝が他の馬券の基本となっているからです。
今回は、単勝と複勝がどのような馬券なのかを改めて確認した上で、おススメの買い方をご紹介します。
1.単勝・複勝とは?
単勝とは、1着になる馬を当てる馬券です。どの馬が一番にゴール板を通過するかという競馬の本質を追求した馬券です。馬券の基本中の基本でもあり最もシンプルかつ伝統的な馬券です。
複勝とは、1~3着に入る馬を当てる馬券です。着順は関係ないので、買った馬が1,2,3着のいずれかに入れば的中となります。当然ながら単勝に比べると当たりやすくなります。なお、複勝オッズは1.2倍~1.5倍のように幅を持って表示されますが、これはレース確定後に3着以内に入った他の馬への投票数を一旦合計した上でその馬の払戻金が確定するためです。
2.単複の魅力は?
単勝と複勝の魅力をご紹介します。
最大の魅力は当てやすいことです。感覚的に当てやすいというのももちろんですが、実際に計算してみても単複の当てやすさは群を抜いています。
下の表は各馬券の的中確率を表したものです。なお、出走頭数はレースにより異なりますが、ここでは16頭が出走した(16頭立て)と仮定します。
券種 | 的中組み合わせ数/総組み合わせ数 | 的中確率(%) |
単勝 | 1/16 | 6.25 |
複勝 | 3/16 | 18.75 |
枠連 | 1/36 | 2.78 |
馬連 | 1/120 | 0.83 |
馬単 | 1/240 | 0.42 |
ワイド | 3/120 | 2.50 |
三連複 | 1/560 | 0.18 |
三連単 | 1/3,360 | 0.03 |
WIN5 | 1/1,048,576 | 0.00026 |
応援馬券 | 3/16(複勝) | 18.75 |
このように、複勝が一番当てやすく、WIN5が一番当てにくいことが分かります。当たり前かもしれませんが、馬券に関わってくる馬の頭数が増えれば増えるほど予想も難しくなっていきます!
そして、複勝の的中確率は18.75%、単勝でも6.25%と他の馬券に比べると圧倒的に当てやすいことがわかります。
一方、どの馬券にもデメリットがあるように単複にもあまり推せないポイントがあるのも事実です。単複のデメリットは「配当が低い」ことです。それはそうですよね。
的中確率が高いということは、それだけ当てる人が多いということです。単勝の平均配当はおよそ400円、複勝に至っては200円くらいといわれています。馬連でも2,000円、三連単は平均で12,000円となっていることを考えると安すぎると思われても仕方がありません。
このようなデメリットもありますが、オッズを見ながら買ったりレース数を絞ったりすることでもっと効果的にそれなりの配当を得ることができます。
3、単複のおススメの買い方
それでは、ここからは単複をどのように買うとコスパ良く的中率も回収率も上げることができるかを解説していきます。配当の安さなどに見られる単複のデメリットもうまく克服しながら買うことが大切です。
1.レースを絞って単勝1本!
まず紹介するのは単勝のみの買い方です。単勝のみで勝負するとなると、狙った馬に単勝1万円突っ込むというようなイメージを抱くかもしれません。しかし、それは全く違います。むしろ、そうした大勝負をすればするほど勝てる可能性が低くなってしまいます。
単勝1本で勝負するときは、狙いを定めてレースを絞り、各馬を厳しくチェックする必要があります。単勝はものすごくわかりやすい馬券であるため、レースごとの払戻金の想定だけでなく1日全体を通しての投資金額と目標払戻金を設定することも簡単にできます。
競馬をやる上で大切なことの一つに、大局的な観点から見ることがあります。レースを見ていく中で、前のレースが終わるごとに次はいくら使おうと順次決めていくのは愚策です。それは、その日にいくら投資していくら戻ってきたかを最終レース後まで把握できないからです。そこで、競馬をやるときにその日にいくら使っていくら戻ってくれば合格ラインとするのかを事前に決めておく必要があります。しかし、毎週全レースを確認して目標を定める余裕があるとは限りません。
そうしたときに単勝は力を発揮します。当然ながら、単勝は相手などの組み合わせを考える手間が全くいりません。さらに、オッズ表示もわかりやすいのでオッズを細かく見比べる必要もありません。
ただし、わかりやすいからといってどのレースでも買っていいわけではないことに注意が必要です。あくまでレースを絞ることが単勝勝負の前提となります。自信のあるレース、妙味のあるレースしかやらないことが重要です。勝てるレースでしっかりと勝っていくのが単勝勝負です。
2.複勝数点買い
続いては、複勝のみを購入する場合の買い方を紹介します。複勝は配当が低いため、複勝のみを多用したりメインの馬券にしたりすることは敬遠されがちです。しかし、買い方さえ工夫すれば複勝で勝つことも十分可能です。その買い方が、複勝の数点買いです。三連単や三連複であれば、通常一点勝負はしないケースが多いはずです。それは当てにくい一方高配当が見込めるため多少点数を増やしても当てに行くからです。
では、複勝はどうでしょう。複勝の平均配当はおよそ200円です。これを聞くと2点買ったらトリガミの可能性もあるのではないかと疑問を持たれます。しかし、この平均には配当が110円のものや100円元返しのものも含まれています。それらの影響をなるべく除外するために複勝の配当の中央値を見てみると、約400円あるのです。つまり、3点くらいまでなら同じレースで購入しても利益が出る可能性が高まるのです。
複勝を数点買いするときに大切なことは、オッズを確認することです。先ほど配当が極端に低いものの影響を除くために中央値を見ると述べました。これは、1.1倍のものを当てても他が外れればさすがに損になってしまうからです。そうしたトリガミを防ぐために、極端に人気な複勝は購入しないことが必要です。
確かに、1.1倍ともなれば当たる可能性は非常に高いです。しかし、回収率のことを考えるとそうした馬を買わずに、少なくとも3倍以上配当がつくものを買うことをおススメします。中穴であれば複勝でも3倍はつくので、そうした穴目の買える馬が複数いるレースでは複勝数点買いが活きてくるでしょう。
3.単複のバランス買い
最後に、単複を両方とも購入する買い方をご紹介します。単複をまとめて購入する場合、バランスがとても大切です。単複のバランスは、単勝:複勝=1:2がベストです。これは、単勝が400円、複勝が200円という平均配当に沿った考え方です。単勝が当たれば複勝は当たるので何も問題ありません。重要なのは、単勝が外れて複勝が当たった(2,3着)ときに利益が出るかどうかです。先ほどの配当に沿うと、1:2くらいのバランスであれば何とか利益が出そうだとわかります。
ただし、これはあくまで原則なので実際にはオッズを見比べる必要があります。買おうとしている馬の単勝と複勝のオッズ比を見て、複勝が思いのほか売れているようであれば3:7や1:3といった比率にした方が良いですし、逆に複勝が売れていなければ2:3くらいの比率でも良いかもしれません。
いずれにせよ、複勝しか当たらなかった場合にも利益を出すことを考える必要があります。
4.まとめ
以上、単勝と複勝の魅力とおススメの買い方について説明してきました。
シンプルだからこそ奥深い単複の魅力が理解できるようになると、初心者でもベテランでもこれまで以上に競馬を楽しめるようになります!